油シリーズ。原料が同じでも抽出方法が違うとひどい話になる

知り合いの社長さんが新規事業で、食用油の販売をしていらっしゃいます。
その話をうかがったら、化粧品の油とまったく同じですね。

化粧品の油も、天然植物系の油は肌に良い感じがしますよね。
私がよく話す、ホホバオイル。
アボカドオイル、スクワランオイル(植物系と動物系がある)、オリーブ油などなど。

これらのオイルは生産量が少なく貴重品です。

さてあなたが化粧品会社の経営者だったら、油の抽出方法はどう判断します?

1、貴重なので少しでも多く抽出できる方法を選ぶ。
2、量は少なくなるが、昔ながらの安全な抽出方法を選ぶ。

自分でお化粧をしない男性社長なら、迷わず1を選ぶのでは?
コストを抑え、製品を1円でも安くして競争力を高めて、化粧品を販売したいですもんね。

食用油でも、同じようです。
大豆油、紅花油、オリーブ油、ごま油など。植物系の食用油は少し割高。
その抽出方法は、多くのメーカーがやはり1で安く多く抽出する方法で生産されているそうです。

その方法は、化学抽出方法。
ある溶液に溶かしてその油のみを抽出します。
無駄がなく、100%抽出できるので効率はいいですよね。

でもね、その中にはどうしても体に良くない物質が混じってしまいます。
化学で溶かした溶液なので、どうしても化学薬品が残ってしまう。

それをなんていうかというと、「キャリーオーバー」といいます。
キャリー(持つ)という意味。
精製した油の中に不純物を持ち越して(キャリーオーバーして)しまいます。

ほんの微量で成分表示にも載らないような量かもしれません。
でもその成分が体に悪影響を与えます。

食用油の場合は、体に蓄積しやすい油、酸化しやすい油になって肥満や生活習慣病の原因になります。

化粧品の油の場合は、酸化しやすく肌に刺激を与える油になります。

同じ天然植物油でも、抽出方法でプラスのものがマイナスになってることがあるんです。

こればかりは、消費者保護の法律としても抽出方法まで明記する義務はありませんので、化学でも圧搾でも「100%天然抽出オイル」になってしまいます。

良いオイル選びも、こだわると精製方法にまで及びます。

難しいお話かもしれません。
でも知っていていただくと、安全な化粧品、スキンケア選びに役立つと思います。